SDGs(エスディージーズ:Sustainable Development Goals 持続可能な開発目標)とは、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人として取り残さない」ことを誓っています。
近年、梅花女子大学の新たな特色として注目されているのが、4学部9学科に及ぶ全学生と多彩な企業とによる産学連携の取り組み「Baika×企業コラボプロジェクト」です。最大の特徴は、女性ならではの「感性」を生かし、学生が主体となって企業との交流を行い、問題・課題を発見し、今までにない斬新な視点での共同研究を活発に進めている点。研究と事業が同じ領域でコラボレーションする一般的な産学連携の形にとらわれず、さまざまな社会の課題に柔軟に適応し、貢献する力を養うことを狙いとしています。革新的なアイデアを生み出し、学問領域に依存しない産学連携の拠点となるのがJR大阪駅に隣接するグランフロント大阪ナレッジキャピタル「The Lab.」内の常設ブース。在学生や卒業生の研究を題材とした実験的な展示を行うほか、学生が主体的に参加する形式で進めるワークショップを定期的に開催しています。このブースでの交流から新たな取り組みが始まるなど、多様なコラボレーションのきっかけを生み出す場となっています。
メーカーやリテールチェーン、放送・情報サービス、鉄道会社などさまざまな企業と連携する梅花女子大学。2023年12月現在、進行中のものも含めると連携企業数は、329件に上ります。小規模大学でありながら、企業から連携の申し入れが絶えないのは、女性の感性に基づく問題解決力を企業が持つ技術と融合させ、多岐にわたる領域で新たな価値を生み出しているから。学生たちは4学部9学科の多様な学びを生かしながら、既成概念にとらわれない自由な発想で産学連携に取り組んでいます。以前にも増して多様性が叫ばれる昨今、若い女性ならではの視点を求める声は多く、企業側からも「梅花女子大学の学生が提案するアイデアはユニークで新鮮だ」と好評を博しています。
女子学生の感性と事業を掛け合わせ、イノベーションを起こす取り組みは他に類を見ず、連携先企業からはインターンシップの参加依頼を多数いただきます。梅花女子大学が極めて高い就職率を誇っているのは、各学科での学問探求にとどまらず、さまざまな企業との交流や連携による、実践力のある学びとともに、入学直後から学生一人ひとりの個性を重視した手厚い就職指導がなされるためでしょう。学生たちが持つポテンシャルを最大限に引き出すとともに、女性のさらなる社会進出を後押しする梅花女子大学の挑戦に今後も大きな期待が集まります。
子どもの虫歯を減らす
歯みがき動画・WEBサイトを制作
口腔保健学科×丹平製薬(株)×茨木市
防災教材の作成・防災メニューの考案
管理栄養学科×大阪ガス(株)
TetsutaMacaron(テツタマカロン)
販売
心理学科×池永鉄工(株)
梅なでしこ鍋を企画・立案→販売
食文化学科・管理栄養学科×中田食品(株)・凸版印刷(株)・イオンリテール(株)
女性のための特別企画車
「イロドルーミー」を企画
情報メディア学科×大阪トヨタ自動車(株)
魚食普及プロジェクト
食文化学科×大阪府中央卸売市場
へんてこアニマルカードゲーム企画・販売
こども教育学科×(株)アーテック
女性が活躍できる社会を目指す
心理学科×(一社)大阪青年会議所・15企業
老若男女問わず先端技術と触れ合える交流施設、「The Lab.」。誰もが研究に参加できることが特徴。日本トップクラスの企業や研究機関、クリエイターのコンテンツが体験できるだけでなく、出展者側も来訪者が感じたことを取り入れ、研究をさらに深めることができます。「The Lab. 」の目的は、新たなる価値創造。アクティブラボ、カフェラボ、イベントラボ、アクティブスタジオで構成されており、常設展示のほか、さまざまなイベントが開催されています。梅花女子大学の常設ブース、「ワクワク♡笑顔♡ぬくもりLab」はアクティブラボの一角に位置しており、「ワクワク×癒し空間」がテーマ。来場者の方に楽しみながら学んでもらうと同時に、学生も自らの学びを深められる実践の場を目指しています。
梅花は、大学生が多角的な教養や知識を学びながらも、プロの舞台人として活躍を目指す、唯一無二の歌劇団「劇団この花」(芸術監督 謝珠栄)を2016年に創立しました。バレエや声楽、芝居といった舞台表現の基礎だけでなく、殺陣、中国拳法、コンテンポラリーダンス、パントマイムなど、幅広い手法を学べる充実した環境が整っています。表現の際に大切にしているのは、観客に「どう伝える」べきか、常に自問自答すること。劇団員一人ひとりが自らの役割を通して考え、可能性を信じて挑戦し続けることで自立し、責任感や自己実現力が高まっていきます。
「劇団この花」の特色の一つが、「エレガンス・レディ・ミュージカル」シリーズ。いかなる時代や境遇でも挑戦し、輝く女性の生涯を題材にしたオリジナル作品です。劇団員は作品の時代背景や文化を丁寧に学び、さまざまな役柄を演じる中で、現代にも通じる社会問題を自分事として捉えて探究します。2024年2月には、様々なミステリーを世に送り出した「アガサ・クリスティ」を上演しました。女性の社会進出などにも焦点を当てつつ、彼女の生き方を華やかなダンスやミュージカルナンバーで表現。
社会への問題提起をエンターテイメントとして昇華させています。これからも多くの観客の心に響く作品を上演し、「感動」を届け、作品に関わるすべての人の幸せに貢献することを目指します。
多様な学部学科を展開する梅花女子大学では、専門性の高い学びや資格取得への挑戦はもちろん、学校行事やチアリーディング、新体操をはじめとするクラブ活動などの課外活動も活発に行われています。学生一人ひとりの主体的なチャレンジが未来への活きる力へとつながっていきます。
明治11(1878)年、梅花女学校開校から146年を迎え、多様性やSDGsの概念が出現するはるか前より先進的な教育を行ってきた梅花女子大学。その建学の精神は、キリスト教主義教育に基づき、すべての人々が平等であり豊かな学びを享受することが大切と考え「他者を愛する心」と「挑戦し続ける強い心」を兼ね備える真に自立した女性の育成に努めてきました。
時代が大きく移り変わる中、日本はSDG5「ジェンダー平等を実現しよう」という課題において、いまなお世界に後れをとっています。世界経済フォーラム発表の「ジェンダー・ギャップ指数2021」では156カ国中120位に位置付けられ、特に「経済」および「政治」への指数が低く、女性のさらなる社会進出は喫緊の課題です。そのような中、梅花女子大学は建学以来、常に「女性の社会進出」の課題に取り組み、SDGsが提言する社会の実現をめざし続けています。
梅花女子大学の前身となる梅花女学校の歴史は、明治11年に始まります。当時の女学校の多くが家政などの教育を重視する中、体育や数学など男子と同じカリキュラムが採用されていました。男女の枠組みを超えた教育方針は、まさにSDGsが掲げるダイバーシティーを意識した画期的な取り組みであり、社会に貢献する自立した女性を時代に先駆けて輩出し続けてきました。
現在では、さらに包括的な女子教育を実践する女子大学、高校・中学、幼稚園を構えています。特に大学においては、時代の変遷によっても色あせることのない教育理念を推進すべく、「チャレンジ&エレガンス」をスローガンに、自主・自立を重んじ、女性がいかなる時勢においても輝き活躍し続ける社会の実現を目指し、その実践科目においても常に時代を見据えた多様性を取り入れています。中でも全学生が履修可能な「エレガンス科目」(共通教育科目)を通して、学問だけではなく、教養を兼ね備えた真から美しい女性としての基礎力を培い、さらに専門力や問題発見・解決力を身に付ける「チャレンジ科目」群へと学びを深めていきます。また、小規模大学ならではの利点を生かした教員と学生の「対話型授業」や、学生同士が語り合う「グループ型授業」、数多くの実験実習やイギリス、アメリカへの海外研修などの「体験型授業」により、実践力のある成⾧を確かなものにしてゆくカリキュラムを設けています。