周縁からの文化論 |
授業コード | 受講区分 | 学科 | 授業期間 | 履修年次 | 単位 | 担当者 |
206201 | 教養 | 後期 | 1・2・3・4 | 2 | 谷川 冬二 |
授業の主題(テーマ) |
中心ができればその周縁もできる。が、なぜそこが周縁なのか、中心の文化的な圧力はどんな形態を取るのか。これらの問いを「周縁」側から考察する。 |
授業の目標(講義概要) |
今年度はアイルランドの事例から学ぶ。この国の人々は、大英帝国=イギリスに支配され、わずか200年の間に母国語をアイルランド語から英語に変えさせられながらも、伝統を規定しなおしては未来を創ってきた。強大な文化圏と隣りあう小さな文化圏が、絶えず受ける圧力に抵抗し、いかにして主体性を保とうとしたかを、おもに言語メディアに焦点を当てて考察する。ケルト神話や妖精物語やフォークソングの数々が材料となる。 |
授業計画 |
a. 文化の中心と周縁 i. 中心と周縁 - イントロダクション ii. 国家と標準語と方言 - 南仏のオクシタン語、バルセロナのカタロニア語 b. アイルランドの場合 i. ロンドン/ダブリン/アイルランド島西部 ii. 歴史的経緯 - ノルマン人の侵入から清教徒革命まで - 名誉革命からユニオン・ジャックの誕生まで c. 標準語によるメディア支配 i. 初等教育の使用言語としての英語 ii. 反逆のシンボルとしてのアイルランド語 d. 伝統と過去の捏造 i. 神話的想像力の支配 - 世界を創る言語 ii. 英語による民族主義的な歌物語群 iii. アイルランド語歌謡の世界 e. 周縁文化が提示する未来 i. アイルランド語の今 - インターネット放送局 ii. 日本語の場合 |
評価方法 |
単元ごとの小テストもしくはレポート、その他随時行なうミニ・クイズ、授業への貢献度、出席状況、などを総合して行なう。 |
テキスト |
備考 |