日本文学特殊講義U

受講区分 学科 授業期間 履修年次 単位 担当者
  通年   4 三木 雅博

授業の主題(テーマ)
竹取物語の比較文学・比較文化的研究

授業の目標(講義概要)
平安時代の前期に成立し、「物語の祖(おや)」といわれる『竹取物語』と、中国の神話・伝説やインドの仏典とどのように関係しているかを論じながら、『竹取物語』を比較文学・比較文化の視点で解析していく。天女の降臨、月世界のイメージ、月と女性、月と不死、チベットの求婚難題譚「斑竹姑娘(バンブー・クーニャン)」との関係などのテーマをたてて、講義していく。

授業計画
1.導入 『竹取物語』の構成について
・ストーリー確認
・『竹取物語』を構成する話の要素(モチーフ)の検討
2.『竹取物語』の各モチーフとアジアの神話・伝説
@天女の降臨−日中の羽衣伝説と『竹取物語』
・『風土記』に載る日本の羽衣伝説
・中国の羽衣伝説―董永(とうえい)の話
A月世界のイメージ
・月の都のイメージはどこから来たか
B月と女性と不老不死
・中国の月の女神「常娥(じょうが)」
・月と不老不死の薬
・インド仏典の「月上女」とかぐや姫
C貴公子たちの求婚難題譚をめぐって
・『今昔物語』に載る「竹取伝説」の難題譚の問題
・チベットの民間伝承「斑竹姑娘(バンブー・クーニャン)」 と『竹取物語』

評価方法
出席とレポートによる。前期と後期の授業の終わりに講義内容に応じた課題を出し、レポートを提出してもらう。出席とレポートの比率は、およそ7:3とする。

テキスト書名 編・著者名 出版社 価格
使用しない。適宜プリントを配布する。      

備考