人権教育

授業コード 受講区分 学科 授業期間 履修年次 単位 担当者
291951   教職 前期 2 2 中島 勝住

授業の主題(テーマ)
反差別教育としての人権教育

授業の目標(講義概要)
差別の問題を考えるとき、そこに単純な正義や誰もが納得できる答えがないことを私たちは直感的に知っています。「同和」教育にも、そんなものはないはずです。しかし従来の「同和」教育では、常識的正義ばかりが繰り返されたり、現実的ではない「解答」が語られることは少なくありませんでした。本講義では、多数者の側にいる自らの権力者性、差別者性を認識すること、同時に、自らがそうした差別的存在であることを否定するのではなく、差別的存在であることにもかかわらず「できるだけ差別しないわたし」の確立を目指します。私たちにとって人権問題とのつき合いは、この「できるだけ差別しないわたし」の実現に向けたプロセスそのものなのです。自分自身を想像(創造)する力を獲得することなのです。

授業計画
1) ガイダンス−受講方法の説明
2) 1 ことのはじまり(1):<自己>解放教育、多文化教育との出会い、人権教育とは
3) 2 ことのはじまり(2):差別とは何か、差別はなくなるか
4) 3 否定される「差別意識」(1):「差別語」について、「差別行為」とは、「差別意識」とは
5) 4 否定される「差別意識」(2):「差別を意識する」とは
6) 5 反差別学習(1):「青い目 茶色い目」ビデオ鑑賞
7) 6 反差別学習(2):まなざし、差別発生のしくみ
8) 7 反差別学習(3):テープ鑑賞 これが差別の実態、         
9) 8 反差別学習(4):私たちは何を学ぶか、「差別しない根拠」とは
10) 9 差別を減らすために(1):「区別」は「差異」の承認、「個性」とは「差異」である
11) 10 差別を減らすために(2):優越感と自尊心
12) 11 差別を減らすために(3):多文化的空間の可能性、「みんなちがって、それでいい」
13) 12 筆者自身へのあとがき:わたしの反差別論    
14) 13 参加型授業の試み(全員出席扱いの自由参加)

評価方法
初回の授業で、授業方法、評価方法を詳しく解説します。必ず出席してください。出席がなかった場合は、受講を断ることもあります。

テキスト
『反差別教育としての人権教育』中島勝住 反差別国際連帯解放研究所しが 600円

備考