関西の文学(近現代) |
授業コード | 受講区分 | 学科 | 授業期間 | 履修年次 | 単位 | 担当者 |
274351 | 日本文化創造学科 | 後期 | 2・3・4 | 2 | 重松 恵美 |
授業の主題(テーマ) |
関西人の恋と日常 |
授業の目標(講義概要) |
関西出身で、関西を舞台とする小説を書き続けた作家として、織田作之助と田辺聖子の二人をとりあげ、それぞれの作品の特質について考える。特に、彼らの描く恋愛事情と、人々の生活(日常)に着目して、関西人の心情を読みとっていく。今、私たちが思い浮かべる「関西のイメージ」は、どのように作られてきたのか、また、二作品の時代背景の違いなどについても考えてみたい。 |
授業計画 |
1.田辺聖子(1928年生まれ)人と作品 昭和後半期の関西で活躍し、今も執筆を続ける作家の一人として、田辺聖子をとりあげ、その経歴と作品とを紹介する。 2.映画「ジョゼと虎と魚たち」(2003年)を観る 2003年、犬童一心監督により、田辺聖子の短編小説が映画化された。主演は、妻夫木聡(恒夫役)と池脇千鶴(ジョゼ役)。原作を参照し、ジョゼと恒夫の対話に留意しながら、二人の恋模様を映像で楽しむ。受講生の希望によっては、作品読解の後、映画を鑑賞する。 3.田辺聖子「ジョゼと虎と魚たち」(1987年)を読む(テキスト収録作品) 田辺聖子の恋愛小説の多くは、女性が男性を観察する形で話が展開するが、「ジョゼと虎と魚たち」は、男女双方の視点をうまく活かした作品となっている。ジョゼの生活を場面ごとに整理しながら、ジョゼと恒夫の心情を読みとっていく。 4.第一回小レポート 「ジョゼと虎と魚たち」について短いレポートを受講生全員が書く。受講生の人数にもよるが、出来る限り、レポート発表と受講生の間での意見交換の場を設けたい。 5.織田作之助(1913年生まれ〜1947年没)人と作品 昭和前半期の関西で活躍した作家の一人として織田作之助をとりあげ、その経歴と作品とを紹介する。 6.織田作之助「夫婦善哉」(1940年)を読む(テキスト収録作品) 蝶子と柳吉、二人の男女の12年の生活を一息に読ませる短編小悦「夫婦善哉(めおとぜんざい)」。二人は、大阪の町で様々な商売を次々と手がけていくが、一向に生活は楽にならない。彼らの切れそうで切れない関係をたどりながら、1920〜30年代の大阪の人々の生活(職と食)を読みとっていく。 7.第二回小レポート 授業内容(「夫婦善哉」の人物とストーリーなど)を確認する意味で実施する。 |
評価方法 |
配点は、期末レポート30点、小レポート30点×2回、授業への出席10点とする。 期末レポートは、テキスト収録作品から好きな一編を選び自由に論じること。 |
テキスト |
『ジョゼと虎と魚たち』田辺聖子、角川文庫、¥476+税 『夫婦善哉(めおとぜんざい)』織田作之助、新潮文庫、¥400+税 |
備考 |