*キリスト教児童文学講義

授業コード 受講区分 学科 授業期間 履修年次 単位 担当者
133051   児童文学科 後期 3・4 2 久保田 修

授業の主題(テーマ)
児童文学と聖書−「銀河鉄道の夜」読解を中心に−

授業の目標(講義概要)
児童文学と聖書の関係に焦点をあて、児童文学を読み解くことを目標とする。「聖書一巻によって、日本の文学史は、はっきりと二分されている」といったのは太宰治であるが、世界の児童文学もまた、聖書一巻によって鮮明に二分されているといってよい。この講座では、梅花と縁のある日本女子大に学んだ賢治の妹のトシを通して生まれたとさえ考えられる名作「銀河鉄道の夜」に焦点をあて、文学の宗教的側面、とりわけキリスト教との関係をとらえてみたい。ふしぎ世界を濃厚に湛えるこの作品を、作者ほどにも丁寧に読み解いていく予定である。

授業計画
1. 作品の成立と概要
2.「午後の授業」を読み解く
3.「活版所」を読み解く
4.「家」を読み解く
5.「ケンタウル祭」を読み解く
6.「天気輪の柱」を読み解く
7.「銀河ステーション」を読み解く
8.「北十字とプリオシン海岸」を読み解く
9.「ジョバンニの切符」を読み解く
10.「タイタニック」「サウザンクロス」を読み解く
11.ラストシーンを読み解く
12.初期形と最終形の意義
13.作品世界とキリスト教
14.まとめとレポートの作成

評価方法
レポート・出席状況・研究活動状況による。

テキスト
宮澤賢治「銀河鉄道の夜」角川文庫 420円

備考
このファンタジーと出会ったその夜から、もう一生涯、あなたもまたジョバンニたちと一緒に銀河軽便鉄道に乗り合わせることでしょう。