発達心理学

授業コード 受講区分 学科 授業期間 履修年次 単位 担当者
162351   人間科学科 後期 2 2 金澤 忠博

授業の主題(テーマ)
子どもの発達を科学する

授業の目標(講義概要)
発達は、大きく、運動能力の発達、認知能力の発達、社会性の発達の3つに分けられる。講義では、まず、<子どもは小さな大人ではない>という認識が重要であることを確認し、ピアジェやエリクソンの発達段階を通して、発達の道筋を概観する。次に、運動機能の発達、知覚・認知・思考の発達、さらに、言語機能の発達、模倣行動の発達や、最近注目されている“心の理論”や自己意識の発達についても学習する。最後に、愛着理論に基づき、母子関係から仲間関係へと進む、社会性の発達過程について学習する。

授業計画
1.乳幼児の発達と発達段階
 1)子どもは小さな大人ではない
 2)ピアジェの発達段階
 3)エリクソンの発達段階
2.運動機能の発達
 新生児の反射から始まり、移動能力など粗大運動の発達、描画能力など微細運動の発達について学習し、さらに、達成動機や学習性無気力など運動機能の発達に関わる要因について学ぶ。
3.知覚・認知・思考の発達
 選択的注視法によって明らかにされた赤ちゃんの認知能力に始まり、自己中心的思考やアニミズムなどの子どもの認知能力の限界、対象の永続性や、保存概念の獲得などについて学ぶ。
4.言語機能の発達
 出生直後の叫び声から喃語、一語文から多語文へ言語機能の発達の道筋を学ぶと共に、指さしや三項関係の成立などコミュニケーション手段としてのことばの獲得の前提となる条件について考える。
5.心の理論の発達
 心の理論とは、他人の心の状態を推測する能力である。自閉症児では未発達な状態にあるとされる心の理論の発達について学ぶ。
6.自己意識の発達
 自己鏡映像の認知、反抗期、自己有能感の発達などの学習を通して、自己意識の発達について考える。
7.社会性の発達
 母と子の絆(愛着)の形成に始まり、仲間関係へと発展する社会性の発達について学ぶ。また、メディアが子どもの発達に及ぼす影響について、社会的学習理論の視点から考える。

評価方法
出席状況、提出物、期末試験あるいはレポートで総合的に評価する。

テキスト
 

備考
授業中に適宜、資料のコピーを配布する。