周縁からの文化論

受講区分 学科 授業期間 履修年次 単位 担当者
  教養 後期 1・2・3・4 2 谷川 冬二

授業の主題(テーマ)
文化の中心が及ぼす力をその外側から批判的に考察する

授業の目標(講義概要)
隣りあう強大な文化圏から絶えず受ける同化の圧力に対抗して周りの弱小文化圏がいかにして主体性を保とうとしたか、を主として言語メディアの面から考察する。たとえば、アイルランドの人々は、大英帝国に支配され、独立し、そして今に至るわずか200年の間に母語をアイルランド語から英語に変えざるをえなかった。このアイルランドが自分たち自身であり続けるために「伝統」を規定しなおしては「未来」を創ってきた過程に学ぶ。

授業計画
a. 文化の中心と外縁
 i. 国家とその標準語
  - オクシタン語、カタロニア語、大阪弁
 ii. 文化の貴賎
b. アイルランドの場合
 i. ロンドン/ダブリン/西部
 ii. 歴史的経緯
  - ノルマン人の侵入から清教徒革命まで
  - 名誉革命からユニオン・ジャックの誕生まで
c. 標準語によるメディア支配
 i. 初等教育の使用言語としての英語
 ii. 反逆のシンボルとしてのアイルランド語
d. 伝統と過去の捏造
 i. 神話的想像力の支配
  - 世界をシミュレートする言語
 ii. 英語による民族主義的な歌物語群
 iii. アイルランド語歌謡の世界
 iv. 詩歌による癒し
e. 外縁文化が提示する未来
 i. アイルランド語の今
  - インターネット放送局
 ii. 日本語の場合


* i.〜iv.が示す小単元に原則としてそれぞれ1週を当てる。

評価方法
単元ごとの小テストもしくはレポート、その他随時行なうミニ・クイズ、授業への貢献度、出席状況、などを総合して行なう。

テキスト書名 編・著者名 出版社 価格
使用しない。      

備考